彼はクールフェイス☆
小池君が出て行った後も、考えるのは彼の事ばかり。
皆は無口で怖いっていうけどさぁ?確かに口数は少ない人だけど、ちゃんと顔見て目を逸らさないで話せば、思ってる事も何となく分かるじゃん。
それからは―――
教室にいるときも、それ以外の時も、気付くと無意識に小池君のことを探してる、目で追ってる自分がいて………
女子は怖がってめったに近寄らないけど、小池君の周りにはよく男子が集まる。
相変わらずあまり表情ないように見えるけど…よおく見てると、周りが盛り上がってると楽しいのか口角上がってるし、眉間にシワがよってる時は、今日は少しイラついてるのかなぁ…とか、結構分かるもんなんだよね。それなりに何か喋ってるみたいだしさ。
「なんだ普通じゃん」
「ミュウなにか言った?」
友達達が不思議そうにしてる。
「小池君だよ。皆言うほど本当に怖い人なのかな」
「ミュウ好きなの!?」
そんな驚いた声出されても……でも私がびっくりしたのはその続き。
「やめときなよ!いつ巻き込まれて怪我するかもわかんないよ!」
「どういうこと?」
そりゃあしょっちゅう喧嘩してるみたいだけど、悪い人じゃないのに。
そう思う私とは裏腹に、友達は小池君たち男子グループに聞こえないように声を潜める。
「なんか彼…あちこちの不良から目を付けられてるみたい。この間も三年生の人達に囲まれてたもん」
あの時だ………。そっか、それで怪我してたんだ。
「なんで…」
「さぁ、よっぽど喧嘩好きなんでしょ。野蛮だよ」
私にはそうは思えない。だってあの時、木に寄り掛かっていた小池君は、なんか覇気がないというか疲れてるというか……喧嘩が好きだったらもっと生き生きしてるもんじゃない?
ふと小池君に視線を移すと、窓際に寄り掛かり男子数人と談笑中(本人若干口角上がり気味)。