彼女が変身した事情
-チーン…-
エレベーターを降りると目の前に高級そうなレストラン。手近にいたウェイターに声を掛ける。
「常磐祐介で予約入ってると…」
「こちらでございます」
案内された街が一望出来る席。こっちに気付いて手を上げてる。
「おー。良介久しぶり。元気そうだな、背抜かれたか」
「親父…今日はよく喋るな」
なんか嬉しそうな話しっぷり。俺に会ったから……じゃねぇな。
「常磐」
「おお、そーだそーだ」
同席してた、中肉中背のおっさんが立ち上がる。髭生やして眼鏡かけて。
「俺の学生時代の先輩だ。あの頃ホントに世話になってなー」
「良介君だね。初めまして。噂どおり男前だね」
「いや、そんなことは……」
握手を交わす。
「良介、今日はな。他にも紹介したい人がいるんだ」
「うちの娘なんだが……」
これか、親父の機嫌の原因。そんなこったろーと思った……。
「良介君の一歳下でな。物心ついた時から母親がいなくて寂しい思いをさせてたんだが。家庭的で真っ直ぐな娘なんだよ」
ニコニコの親父とおっさん。何企んでんだ。
「良介、お前先輩の娘さんと結婚しろ」
「はぁ?」
何寝ぼけてんだ、このクソジジィ……。
「良介君にならうちの娘を任せられるよ」
「ちょっ…待って下さい」
「俺もさっき会ったけど、素朴な良い娘さんだったぞ。お前もいつまでもフラフラ遊んでないで身を固めろ」
「って俺まだ16……」
おいおい~。この歳で親が決めた婚約者持ち!?
「しかし遅いなぁ。15分ばかり前に手洗いに行ったきり帰って来なくてなぁ。娘もこのこと内緒で呼び出したもんだから」
つうか笑ってんじゃねーよ!絶対断固阻止!!
「悪いけど、この話……」
「断ったら仕送り止める…」
ぼそっと親父。汚ねぇ……。こうなったらバイトでもなんでもしてやる。
でも俺は次の言葉に耳を疑った――………。
「全く…優のやつなにやってるんだ」
エレベーターを降りると目の前に高級そうなレストラン。手近にいたウェイターに声を掛ける。
「常磐祐介で予約入ってると…」
「こちらでございます」
案内された街が一望出来る席。こっちに気付いて手を上げてる。
「おー。良介久しぶり。元気そうだな、背抜かれたか」
「親父…今日はよく喋るな」
なんか嬉しそうな話しっぷり。俺に会ったから……じゃねぇな。
「常磐」
「おお、そーだそーだ」
同席してた、中肉中背のおっさんが立ち上がる。髭生やして眼鏡かけて。
「俺の学生時代の先輩だ。あの頃ホントに世話になってなー」
「良介君だね。初めまして。噂どおり男前だね」
「いや、そんなことは……」
握手を交わす。
「良介、今日はな。他にも紹介したい人がいるんだ」
「うちの娘なんだが……」
これか、親父の機嫌の原因。そんなこったろーと思った……。
「良介君の一歳下でな。物心ついた時から母親がいなくて寂しい思いをさせてたんだが。家庭的で真っ直ぐな娘なんだよ」
ニコニコの親父とおっさん。何企んでんだ。
「良介、お前先輩の娘さんと結婚しろ」
「はぁ?」
何寝ぼけてんだ、このクソジジィ……。
「良介君にならうちの娘を任せられるよ」
「ちょっ…待って下さい」
「俺もさっき会ったけど、素朴な良い娘さんだったぞ。お前もいつまでもフラフラ遊んでないで身を固めろ」
「って俺まだ16……」
おいおい~。この歳で親が決めた婚約者持ち!?
「しかし遅いなぁ。15分ばかり前に手洗いに行ったきり帰って来なくてなぁ。娘もこのこと内緒で呼び出したもんだから」
つうか笑ってんじゃねーよ!絶対断固阻止!!
「悪いけど、この話……」
「断ったら仕送り止める…」
ぼそっと親父。汚ねぇ……。こうなったらバイトでもなんでもしてやる。
でも俺は次の言葉に耳を疑った――………。
「全く…優のやつなにやってるんだ」