彼女が変身した事情
「冗談に聞こえる?こんな可愛い優、俺だけ知ってればいんだよ」
「からかってるんですか?」
こんな時にも赤くもならず無表情なのを見ると無性に腹が立つ。
つい優の両手を掴むと身体ごと壁に押しつける。
「俺がなんでここにいるか知ってる?」
「………」
眼鏡取り上げたから全然見えてねぇんだろうな。
「俺なんだよ。見合いの相手」
「…………あぁ、そうなんですか」
なんか変に納得した様。じゃ今までなんだと思ってたんだよ…。
「俺も知らないで来たから、最初は親同士の婚約なんか絶対ぶち壊してやると思った。けど、相手が優だって分かってなんか嬉しかった。お前は見えなかったとはいえ、外見関係なく俺に接してきたろ?悔しいけど、初めて女を意識した。
だから優の事可愛いと思っていいの、俺だけだから。だから優も俺の事見てよ……」
大事にしたいから。だからこれ以上触れない。
「……やっぱりからかってるんですか?」
「信じてよ」
「無理です」
はっきりきっぱり。何がそこまでかたくなにさせるのか………。
「分かった」
俺はポケットから例の物を取り出して優の首につけた。華奢なデザインが優の細い首にピッタリだった。
「信じて貰えるまで頑張るし……」
眼鏡をつけてやる。髪ゴムは返さないけどね♪
エレベーターが地上につく。
「まぁ見ててよ。絶対好きにさせてやっからさ♪」
◆
「まずどこ行くかな~」
いつもなら女エスコートすんのも内心嫌々なんだけど。優が楽しめるとこ、喜びそうなことを考えてる。こういうのも新鮮。
「ショッピング?映画?ん~…まだ時間あるし遊園地とか」
「私……一目に晒されるのはあんまり」
こっちを見ず、正面を向いたまま冷静に一言。
-表情がないのがな~……-
今まで一度も優の喜怒哀楽を見た事ない。
「俺は優といれればどこでもいいよ。今日は帰る?」
「はい」
「じゃ歩こうか」
この二人の間の妙な距離もなんとかしねぇとな。
問題は山積みだ―…
「からかってるんですか?」
こんな時にも赤くもならず無表情なのを見ると無性に腹が立つ。
つい優の両手を掴むと身体ごと壁に押しつける。
「俺がなんでここにいるか知ってる?」
「………」
眼鏡取り上げたから全然見えてねぇんだろうな。
「俺なんだよ。見合いの相手」
「…………あぁ、そうなんですか」
なんか変に納得した様。じゃ今までなんだと思ってたんだよ…。
「俺も知らないで来たから、最初は親同士の婚約なんか絶対ぶち壊してやると思った。けど、相手が優だって分かってなんか嬉しかった。お前は見えなかったとはいえ、外見関係なく俺に接してきたろ?悔しいけど、初めて女を意識した。
だから優の事可愛いと思っていいの、俺だけだから。だから優も俺の事見てよ……」
大事にしたいから。だからこれ以上触れない。
「……やっぱりからかってるんですか?」
「信じてよ」
「無理です」
はっきりきっぱり。何がそこまでかたくなにさせるのか………。
「分かった」
俺はポケットから例の物を取り出して優の首につけた。華奢なデザインが優の細い首にピッタリだった。
「信じて貰えるまで頑張るし……」
眼鏡をつけてやる。髪ゴムは返さないけどね♪
エレベーターが地上につく。
「まぁ見ててよ。絶対好きにさせてやっからさ♪」
◆
「まずどこ行くかな~」
いつもなら女エスコートすんのも内心嫌々なんだけど。優が楽しめるとこ、喜びそうなことを考えてる。こういうのも新鮮。
「ショッピング?映画?ん~…まだ時間あるし遊園地とか」
「私……一目に晒されるのはあんまり」
こっちを見ず、正面を向いたまま冷静に一言。
-表情がないのがな~……-
今まで一度も優の喜怒哀楽を見た事ない。
「俺は優といれればどこでもいいよ。今日は帰る?」
「はい」
「じゃ歩こうか」
この二人の間の妙な距離もなんとかしねぇとな。
問題は山積みだ―…