彼女が変身した事情
へんしん




-PPPPP♪…-


「ん~……」



眩しい。目覚ましを止める。まだ眠くて瞼が落ちそうになる……。


「……うわっ!」



目の前の床の上を這いつくばる人影。
ゾッとして一発で目が覚めた。


「怖ぇよ……」


優だった。
黒髪を振り乱し白い服(俺のシャツ)を着て床を手探りで進む様はリ〇グの貞〇さながら…。



「常盤さんどこですか?」



昨日あの後、眼鏡がなくて生活に支障がある優を一人帰らせる訳にいかねぇから、うちの客間に泊まらせた。
ホントは俺の部屋に一緒にって言ったのに、断固拒否られて正直残念。


「ここにいる」
「わっ!」



這いつくばってる優をヒョイと抱き上げる。


「おはよ」
「お、おはようございます」
「んで、なんでここにいんの?寂しくなった?一緒に寝るか?」
「違います。目覚ましずっと鳴ってたので。音を頼りに起こしにきました」
「…あそ。お陰で一瞬で目ぇ覚めたわ」



まだ寝足んないけど。今日はすることがある。


「さて、と」


優を抱き直す。放って置くとあちこちぶつけるからな。今の徘徊(笑)で…ほら、あちこち擦りむいてる。



「まずは着替えて飯食うかぁ」
「ご、ごめんなさい。私今日はご飯作れません。ほんと気が利かなくて……」
「たまには俺が作る。それより着替えだな~…………」
「あ、はい。うちに戻ります」
「ダメ」
「え?だって着替えないと…」



優をお袋の部屋に連れて行く。



「優、お前スリーサイズ教えろ」
「ええっ!」
「服選べねぇだろ」



ほんとは抱き心地でわかるけど(自慢じゃないが外したことはない)、つい意地悪したくなる。これも好きが故のこと。許して♪


「……………分かりません」
「はぁ?」
「計った事ないから…」
「お前なぁ、服選ぶ時どうしてんだよ」
「お店の中で小さめのを選ぶか…体型が隠れる物を」



そんなんだからブカブカの制服着るハメになんだよ!



「いいよもう!」





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