彼女が変身した事情
「……私」
「ん?」
「遅刻したのも初めて……」
「お~マジで?初経験じゃん」
落ち込む優を励まし(?)ながら、仲良く重役出勤ならぬ遅刻通学の最中。
実に二時間の遅刻。俺的には、ホントならサボって延長戦突入がベストだったんだけど……優は『絶対サボるのは嫌!』って譲らなかった。
まぁ、こんなことになったのも、優が可愛い顔して誘うのがいけないんだし?俺の彼女ならしょうがないから諦めろ♪(超自己チュー)
ってな感じで、軽~く流して一緒に校門をくぐる。
「教室行くの一人で平気?ついて行こうか?」
「別に大丈夫だよ?今までと何も変わらないし」
心配する俺をよそに割とケロリとした返答。
「じゃ良ちゃん帰りね」
「おぅ」
優と別れて自分の教室に向かう。
「おっは♪良介~。聞いたぞ、一年に激カワな子いるんだってな♪♪」
この声………
視線の先には、やっぱり。
ほくほく顔の真崎。
あれから相変わらずのタラシぶり。
例の彼女とは、別れたらしい(原因は多分俺だろうね。関係ねぇけど)。
でもすぐに新しい彼女作ったって。全く懲りない奴。
「なぁお前と歩いてたらしいじゃん。知り合い?紹介してよ~」
「さぁな」
「え~俺ら友達じゃん」
「………」
そんな言葉を完全シカト。
窓の外に目をやると………
ガタッ
びっくりして立ち上がった。
見えたのは優。俺が見間違う訳無い。
しかも……
あの優が女の子達と歩いてる!?
「ええっ……?」
ギャルギャルしい感じのあいつらとは違う。
至って普通の娘達。