何時までも…
プロローグ
例えば夏の花火みたいに心に残って忘れられない恋があるとしよう。

きっとそれは何の役にも立たない。

花火みたくキレイに輝いて、散ってくれればまだいい。

でも恋ってのはそんなに素敵なものじゃないんだ。

二十歳になった俺はまたあの恋を思い出している。きっかけは久しぶりに会った君。三年ぶりに会った君はとてつもなく可愛く、どこかあの甘酸っぱさを残していた。


「…明日香に会うまで、まだ時間があるな」

久しぶりに会ったのだが、彼女とは時間の隔たりなど感じさせないほど、打ち解けることができた。今日会うのは俺から誘った。しかしどうやら緊張で早く目が覚めてしまったようだ。

「もう一眠りするか」


俺は薄れゆく意識の中にあの淡い日々を思い出していた。
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