love song
「…て事で、歌詞書けたらすぐ連絡する事」
「はい」
私が頷くと吉野さんは優しい笑みで私の頭を撫でた。
「期待してるわよ、SERINAちゃん」
と、若干プレッシャーを感じる言葉に期待に応えないと、と気合いを入れていると、マネージャーと吉野さんが立ち上がり私の方を見て、
「それじゃ、ミーティング終了」
「彼氏さんに宜しくね」
「雅人君に宜しく」
と、2人はすぐに雅人の所へ行かせてくれた。化粧室で化粧を直して髪と服装も崩れてないかチェックしてから梨を持って事務所からタクシーを拾い病院に向かう。気分はウキウキ、ドキドキ。タクシーの中ではラジオがかかっており、聴き覚えのある…当たり前だ。だって私の曲だから。雅人に向けて書いた曲。ますます雅人に会いたくなった。ラジオからかかっている曲は私の新曲。女子高生が話題にしていた曲だ。雅人もきっとラジオかCDかで聴いてくれたと思うが…反応が楽しみ。病院に着くと携帯の電源を切り足早に雅人の病室へと向かった。