love song
「こうして会うの久し振りだね。体の具合はどう?」
「…芹名、今じゃカリスマ歌姫だもん、しょうがないよ。ちょっと寂しいけどね」
雅人は梨を美味しそうに食べながら冗談めかして言った。肝心な具合の方は何故か答えず。でも、聞かなくとも分かるほど会っていなかったこのたった半月で雅人はまた痩せていたので察する事が出来た。
「そうそう、あのね、来週ラジオのゲストに穴が空いたらしくて、私出る事になったんだよ」
「ラジオに?芹名が?」
「うん、そう」
「何日?何時?番組名は?」
雅人は私より興奮して、梨を皿に置いて棚にしまってある手帳を出して問い詰めてきた。私は雅人が聞いてくる事に対してマネージャーが言っていた事を伝え、梨を口に運んで食べた。こんなに喜んでくれるならラジオくらいは仕事受けようかと思うくらい雅人は嬉しそうにしてくれた。