love song

呼吸をするのも苦しそうで私は雅人の手を握って笑みを向けた。
「雅人、寝ていいよ?辛いでしょ?私、雅人が寝付くまでここに居るから」
私が柔らかい口調で伝えると雅人はゆっくり首を振った。
「せり、なと…話したい…」
「分かったよ」
私は手を握ったままおばさんの方を見た。
「…良いですか?」
おばさんは静かに頷いて上着やら鞄やらを持ってこちらを見た。
「雅人、じゃあ、母さん一旦家に帰るわね。洗濯物だけ持って帰るから。芹名ちゃん、ごめんなさいね。後はお任せするわ」
「はい、気を付けて下さい」
そう言い病室を出る時には笑みを向けてくれて、帰って行った。
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