love song

絶対辛いに違いないのに、雅人は私との時間を作ってくれる。だから、私もなるべく雅人に負担にならないようにひたすら明るく話した。
「…でね、今回も作曲は吉野さんなの。マネージャーなんて絶対売れるとか根拠のない自信で大きな事言ってたんだよ。売れなかったら私立場ないじゃんね」
「どんな曲?」
「バラードだよ。私の得意な。また聴いたら感想聞かせてね?」
雅人はゆっくり頷いてくれた。
「発売日いつ?」
「あ…聞いてない」
「おい、ちゃんと教えてくれないと買えないじゃん」
「ごめんごめん」
「謝り方軽っ!」
「…本当にすみませんでした」
「宜しい」
話し終えると同時に2人で笑った。こんな漫才みたいな会話が楽しい。単語だけでも良い。相槌だけでも良い。同じ時間を共有したかった。
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