love song
もうどれくらい病院に居ただろう。知らないうちに真っ暗な待合室で宮田さんと座っていた。酷く頭が痛い。
「宮田さん、私もう歌えません」
宮田さんはただ黙ったまま私の頭を撫でた。


「芹名ちゃん、こんなとこに居たの…最期に来てくれて有り難う」
「おばさん…」
「この度は御愁傷様でした。私は席を外しますね」
宮田さんは静かに去って行った。
「これ…自分が死んだら渡してくれって頼まれてたの」
おばさんが差し出してきたのは手紙だった。雅人が私に残してくれた『遺書』。
「読んで良いてすか?」
「勿論よ。あの子の最後のラブレター、読んであげて」
「有り難う御座います」
私はその白い封筒から手紙を出した。
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