love song

ファミレスから家に帰る途中のタクシーの中でマネージャーからメールがきた。明日の予定だ。深い溜息を1つ零す。もう半月近く雅人に会っていない。病院だから携帯は使えないし、仕事が忙しくてお見舞いにも行けてない。だから、明日の休みはとても貴重だったのに…段々苛々が込み上げてきたが、そんな仕事を選んだのは私なのだから文句を言える立場ではない。それに仕事を頑張ると雅人は喜んでくれる。新曲を出すたび、私がCDをあげると言っても断ってきて、わざわざ買ってくれていた。雅人は他のファンと同じようにいちファンとして私の歌を聴きたいと言って。私はそれが嬉しかった。出会いから変わらず歌を聴いてくれて、尚且つ私をSERINAとしてではなく芹名として接してくれるのが嬉しかった。
雅人といる時間が、私にとってどれほどの癒やしか…きっと雅人は気付いていないよね。
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