Star blink of twins
ハウェルはそんなテクスに礼も言わない。
「離せ」
短く言うと、身を捩る。
テクスも諦めた様にハウェルの身体を解放すると、小さな溜息を零した。
「受け止めろと命令した覚えはない」
「そう申されましても。貴女をお守りするのが、私の役目ですから」
ハウェルはテクスの言葉に顔を顰めると、くるりと背を向けた。
「それは悪かったな、守護者殿。だが、私は自分の身は自分で守れる。そんなに役目を全うしたいなら、レウェルの守護を請け負えばいいだろう」
「ハウェル様、貴女はなんてことを…!」
言ってから、ハウェルは少し後悔した。
代々テクスの家は、神子に仕える家系だった。
たまたま今の神子はハウェルが担っている。
だが、ハウェルには双子の妹、レウェルがいた。
ハウェル程たくさんの役目を担うわけではないが、彼女も立派な神子。
レウェルにはハウェルとは違い彼女はラキストゥアの恩恵の印はない。
ローム家の人間が最も尊び、守るべきなのはハウェルなのだ。
そして、ハウェルはテクスがその役目に誇りをもっていることも知っていた。
それなに、その彼の誇りを傷つける言葉を吐いた。
恐る恐る振り返ると、テクスの表情は痛々しげに歪んでいた。
口に出してしまった言葉は、どんなに取り繕ってももう消し去ることは出来ない。
「…すまない、言っても仕方ないことだった。一人になりたいんだ…、お前は来なくていい」
ハウェルはそれだけ言うと、テクスに背を向け歩き出した。
テクスはもう追ってくる事はなかった。
ただ、去っていくハウェルの背を悲しそうに見つめるのみだった。
「離せ」
短く言うと、身を捩る。
テクスも諦めた様にハウェルの身体を解放すると、小さな溜息を零した。
「受け止めろと命令した覚えはない」
「そう申されましても。貴女をお守りするのが、私の役目ですから」
ハウェルはテクスの言葉に顔を顰めると、くるりと背を向けた。
「それは悪かったな、守護者殿。だが、私は自分の身は自分で守れる。そんなに役目を全うしたいなら、レウェルの守護を請け負えばいいだろう」
「ハウェル様、貴女はなんてことを…!」
言ってから、ハウェルは少し後悔した。
代々テクスの家は、神子に仕える家系だった。
たまたま今の神子はハウェルが担っている。
だが、ハウェルには双子の妹、レウェルがいた。
ハウェル程たくさんの役目を担うわけではないが、彼女も立派な神子。
レウェルにはハウェルとは違い彼女はラキストゥアの恩恵の印はない。
ローム家の人間が最も尊び、守るべきなのはハウェルなのだ。
そして、ハウェルはテクスがその役目に誇りをもっていることも知っていた。
それなに、その彼の誇りを傷つける言葉を吐いた。
恐る恐る振り返ると、テクスの表情は痛々しげに歪んでいた。
口に出してしまった言葉は、どんなに取り繕ってももう消し去ることは出来ない。
「…すまない、言っても仕方ないことだった。一人になりたいんだ…、お前は来なくていい」
ハウェルはそれだけ言うと、テクスに背を向け歩き出した。
テクスはもう追ってくる事はなかった。
ただ、去っていくハウェルの背を悲しそうに見つめるのみだった。