Star blink of twins
「く、そ…何者…」
「いたぞ!取り押さえろ…!」
荒くれ者たちが何か言う前に、神殿から使わされた警護の者たちが駆けつけた。
呆気なく騒ぎに幕引きがされ、ハウェルがこの場に現れた事に驚く街の人間たちを尻目にハウェルはゆっくりと少年に近寄ると、その瞳を覗き込んだ。
「見たところ、ベザフ人の様だが…とんだ災難だったな。どうやら彼らは余所の土地の者らしい。普段はこのような事は滅多にないのだ…気を悪くしたなら謝る」
ベザフ…というのは、ラキストゥアから遠く離れた大陸の砂漠の王国、ベゼ=アルフェミアの人々を指す。
あまり外界との国交はなく、その独自の言葉を話す事が出来る人間は、そう多くはない。
ハウェルや神殿に居る何人かは、幼い頃からベザフ語を習うことになっているのもあり話すことも出来るが、この島に住む殆どの人間には理解することも難しいだろう。
流暢なベザフ語でハウェルに話しかけられ、少年ははっとしたようにハウェルを見つめた。
「あ、あ…貴女は、ベザフ語が話せるんですね…よかった。こちらこそ、危ないところを助けていただいてありがとう。言葉が通じなく、困っていたところなんです」
「そうか…それは難儀していたことだろう。どうだろう、連れの者も怪我を負っているようだし、その様子だと宿を取るにも苦労するだろう。神殿の方で宿を提供できるから、今夜は立ち寄ってはどうだろうか」
ハウェルが抱き起こされ、拘束を解かれる少女を見つめながら少年に問いかけた。
少年はしばし思案していたようだが、ふと思い立ったようにハウェルの事を見つめた。
「いたぞ!取り押さえろ…!」
荒くれ者たちが何か言う前に、神殿から使わされた警護の者たちが駆けつけた。
呆気なく騒ぎに幕引きがされ、ハウェルがこの場に現れた事に驚く街の人間たちを尻目にハウェルはゆっくりと少年に近寄ると、その瞳を覗き込んだ。
「見たところ、ベザフ人の様だが…とんだ災難だったな。どうやら彼らは余所の土地の者らしい。普段はこのような事は滅多にないのだ…気を悪くしたなら謝る」
ベザフ…というのは、ラキストゥアから遠く離れた大陸の砂漠の王国、ベゼ=アルフェミアの人々を指す。
あまり外界との国交はなく、その独自の言葉を話す事が出来る人間は、そう多くはない。
ハウェルや神殿に居る何人かは、幼い頃からベザフ語を習うことになっているのもあり話すことも出来るが、この島に住む殆どの人間には理解することも難しいだろう。
流暢なベザフ語でハウェルに話しかけられ、少年ははっとしたようにハウェルを見つめた。
「あ、あ…貴女は、ベザフ語が話せるんですね…よかった。こちらこそ、危ないところを助けていただいてありがとう。言葉が通じなく、困っていたところなんです」
「そうか…それは難儀していたことだろう。どうだろう、連れの者も怪我を負っているようだし、その様子だと宿を取るにも苦労するだろう。神殿の方で宿を提供できるから、今夜は立ち寄ってはどうだろうか」
ハウェルが抱き起こされ、拘束を解かれる少女を見つめながら少年に問いかけた。
少年はしばし思案していたようだが、ふと思い立ったようにハウェルの事を見つめた。