脱力系彼氏
湿気のある蒸し暑い空気。生憎、天気は曇りで、空の機嫌はやっとの事で保たれている、って感じ。
だけど、あたしの機嫌は凄く良くて、天気なんか気にもならない。
なぜなら、今日は14日。
昇ちゃんと付き合って3か月の記念日なのだ。
あの、たった1文字のメールだけで嬉しくなってしまう。
昨日の夜から、今日はどこか出かけられたらいいな、とか、キスしたいな、もしくはそれ以上?……とか、そんな事であたしの頭はいっぱいだ。
4限目の終わりのチャイムが鳴ると、あたしは教室中で1番早く立ち上がった。
手短に適当な礼を済まし、教室のドアに向かう。あたしが教室を出ようとすると、ドアの真横の席の冴子は、机に沈んでいた頭を上げた。
「綾、どっか行くの?」
いつもより低い声で、迫力が増す。爆睡していた事が、一瞬にして分かった。
「ちょっと昇ちゃんのところ行ってくる! すぐ帰ってくると思うけど」
「あ、ああ。じゃあ、あたし先にお弁当食べかけとくわ」
「うん!」
小さく冴子に手を振り、あたしはジメジメした廊下に踏み出した。
冴子は、昇ちゃんの事は何だかんだ言っておきながら、2人の事にはこれ以上触れようとしない。言葉通り、“あたしは知らないよ”って事だと思う。
それでも、冴子はさっぱりしていて、別れろだなんて言わないし、ましてや冷やかす素振りも全く無い。ちゃんと、“あたし自身の事”と“あたしと昇ちゃんの事”っていうのを、区別して接してくれている。
だから、この前のが冴子の最後の忠告だったんだ。
冴子があたしを心配してくれているのは凄く伝わってくるし、凄く嬉しい。
だから、何だかんだ言って、あたしは昇ちゃんと同じくらい冴子が好きだ。さっぱりしたところも、友達思いなところも。
なんて、ニヤけているうちに、1番端のクラスに到着してしまった。
あたしは少しだけ髪を整え、クラスを覗いてみた。
だけど、あたしの機嫌は凄く良くて、天気なんか気にもならない。
なぜなら、今日は14日。
昇ちゃんと付き合って3か月の記念日なのだ。
あの、たった1文字のメールだけで嬉しくなってしまう。
昨日の夜から、今日はどこか出かけられたらいいな、とか、キスしたいな、もしくはそれ以上?……とか、そんな事であたしの頭はいっぱいだ。
4限目の終わりのチャイムが鳴ると、あたしは教室中で1番早く立ち上がった。
手短に適当な礼を済まし、教室のドアに向かう。あたしが教室を出ようとすると、ドアの真横の席の冴子は、机に沈んでいた頭を上げた。
「綾、どっか行くの?」
いつもより低い声で、迫力が増す。爆睡していた事が、一瞬にして分かった。
「ちょっと昇ちゃんのところ行ってくる! すぐ帰ってくると思うけど」
「あ、ああ。じゃあ、あたし先にお弁当食べかけとくわ」
「うん!」
小さく冴子に手を振り、あたしはジメジメした廊下に踏み出した。
冴子は、昇ちゃんの事は何だかんだ言っておきながら、2人の事にはこれ以上触れようとしない。言葉通り、“あたしは知らないよ”って事だと思う。
それでも、冴子はさっぱりしていて、別れろだなんて言わないし、ましてや冷やかす素振りも全く無い。ちゃんと、“あたし自身の事”と“あたしと昇ちゃんの事”っていうのを、区別して接してくれている。
だから、この前のが冴子の最後の忠告だったんだ。
冴子があたしを心配してくれているのは凄く伝わってくるし、凄く嬉しい。
だから、何だかんだ言って、あたしは昇ちゃんと同じくらい冴子が好きだ。さっぱりしたところも、友達思いなところも。
なんて、ニヤけているうちに、1番端のクラスに到着してしまった。
あたしは少しだけ髪を整え、クラスを覗いてみた。