脱力系彼氏
第3章 不安定な空
昇ちゃんにとって、大事な用事? そんな事、あるの?
男の子が記念日を覚えてないのはよくある事で、あたしも多少理解はある。
だけど、「お」ってメールくれたじゃないの。
苛立ちよりも、不安が募る。
あたしをこんなにも不安にさせるのは、あなただけなんだよ?
「おい」
乱暴な声が聞こえ、あたしはびくりとして顔を上げた。
「……え?」
冴子が怪訝そうな顔であたしを見ている。……いかつい。
「食べないの? お弁当」
「あ、ああ……何かそんな気分じゃ……」
「は? 妊娠?」
「そういう意味じゃない」
妊娠なんか、する訳ない。
あたしがはぁ、と息を吐くと、冴子があたしの額にびしっとデコピンした。
「っいったぁ! 痛っ! なん……」
「溜め息吐く暇があるなら、さっさと弁当食え! 飯が腐るわ」
そんな早く腐る訳ないだろ、なんて思いながらも、そんな事を冴子相手に口に出来るはずもなく。あたしは、仕方無くお弁当の紐を解いた。
「何なの、一体。こっちまでテンション下がるんだけど」
「だって昇ちゃんが……」
「ああ、もううるさい! 早く食え」
……自分から聞いたくせに。
口を尖らせながらも、ご飯を口に運ぶ。
やっぱり味は、無い。
男の子が記念日を覚えてないのはよくある事で、あたしも多少理解はある。
だけど、「お」ってメールくれたじゃないの。
苛立ちよりも、不安が募る。
あたしをこんなにも不安にさせるのは、あなただけなんだよ?
「おい」
乱暴な声が聞こえ、あたしはびくりとして顔を上げた。
「……え?」
冴子が怪訝そうな顔であたしを見ている。……いかつい。
「食べないの? お弁当」
「あ、ああ……何かそんな気分じゃ……」
「は? 妊娠?」
「そういう意味じゃない」
妊娠なんか、する訳ない。
あたしがはぁ、と息を吐くと、冴子があたしの額にびしっとデコピンした。
「っいったぁ! 痛っ! なん……」
「溜め息吐く暇があるなら、さっさと弁当食え! 飯が腐るわ」
そんな早く腐る訳ないだろ、なんて思いながらも、そんな事を冴子相手に口に出来るはずもなく。あたしは、仕方無くお弁当の紐を解いた。
「何なの、一体。こっちまでテンション下がるんだけど」
「だって昇ちゃんが……」
「ああ、もううるさい! 早く食え」
……自分から聞いたくせに。
口を尖らせながらも、ご飯を口に運ぶ。
やっぱり味は、無い。