夢喰い白黒猫

~???side~

「見ぃ~つけたぁ~♪」

夢喰い白黒猫。
アイツの新たな主人を…。

「シァーッ…。」

俺は静かに牙と爪を出し、夢喰い
白黒猫の主人へと近付く。
そして、勢いをつけて襲いかかる。

「シャーッ!!!」

『不届き者。我のご主人を狙うとは
 命知らずめ!』

鋭い声と共にトランプが飛んでくる。

「チッ……。はやかったな。」

『貴方がこんな妖気を出している
 なんて珍しいじゃない?』

「あの男は特別なものを感じる。
 一体なんだ?」

『安田 是蛇(ヤスダ ココイ)の魂が
 宿ってるんだ。』

「安田氏か。」

『だからこそ…、だからこそ、
 貶めたく思うのよ!もっと深く欲に
 溺れて、あたしを必要とすればいい。
 …そして、お代は…。フフッ』

狂ってる。
鈴の瞳に宿ってる色はまさに…。

「お前はそれでいいのか?」

『……なんのこと?この仕事は
 明日で終わる。そして、兄さんが
 呪いから解放される。
 ……どこに不満があるの?』

「……俺は反対だな。」

俺は鈴の目をジッと見ながらそう言う。

『煩い!!!血塗狼には関係無い!』

そう怒鳴って、弾かれるように
逃げていく。



「月が満ちるまであと……1日かぁ。」


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