恋愛流星群

 私がそう言うと、先輩は黙って携帯を操作し、ふいに液晶をこちらに向けた。
 そこには見慣れた早苗先輩、そして知らない男がキスしている写真が写し出されていた。

 すぐには言葉が出なかった。その代わりにかぁっと顔が熱くなるのがわかった。
 自分が怒りを覚えているのだと分かったのは、少し遅れてからだった。

 いつもあんなに仲が良かったのに。早苗先輩だから、私は気持ちを抑え込んだのに。
 頬に温かいものを感じたかと思うと、床に水滴が落ちるのが見えた。

 私、泣いてる……?
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