恋愛流星群

 自分の頬を濡らしているものを拭い、怒りと戸惑いに支配された感情は、更に自身をも驚かせる言葉を口走る。

「私じゃ、駄目ですか……?」

 自分の発した言葉の意味を理解したと同時に、一気に後悔の波が押し寄せた。
 目を見開いて私を見つめる先輩、そして目を逸らすことが出来ない私。

 二人の間に何とも言い表せない気まずい沈黙が流れた。

 どうしよう、何か言わなくちゃ。何か、何かこの場の空気を変えられる言葉を……。
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