恋愛流星群

 校門の向こうに、ずっと会いたかった人影を確認する。
 背が高いからわかるわけじゃない。髪型、歩き方、しぐさ、遠くからでも見間違えるはずがないのだ。

 切なく高鳴る心臓を落ち着かせ、その人が眼下まで来たとき、声を掛ける。

「おはようございます、森先輩、早苗先輩!」

 いつものように。とびきりの笑顔で。
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