恋愛流星群
毎朝早くに登校して行く朱里を自室の窓から見送り、時間を置かずに俺も家を出る。
教室の前。朱里が思いを寄せる先輩との挨拶を交わし、席に着く音を聞いてから、教室に入る。
「二番乗りっ!」
「奏太! 今日も早いね」
毎朝、同じやり取りが続いているが、タイミングの良さに、朱里は少しも違和感を感じていないようだ。
朱里が大切にしている、教室と細道の間で交わされる短い挨拶の時間は、邪魔したくはない。
それでも少しでも、二人の時間を過ごしたい気持ちは抑えられなかった。