恋愛流星群
「いつも言っているが敬語を使え、高原」
「はぁい、わかったよ〜」
間延びした声で答える彼女。全然わかっていないじゃないか。
「はぁ……」
「また溜め息! 幸せ逃げちゃうよ!」
誰のせいで溜め息をついていると思っているんだ! 内心ではそんなことを思うが、俺は大人、俺は教師だ。
冷たい視線を投げ掛けてみるが、彼女は鼻歌を歌いながら、気にも止めないような素振り。
たかだか18歳やそこらの女子生徒に振り回されている自分が滑稽に思え、また溜め息が出そうになるのを必死に抑えた。