恋愛流星群

「隙ありっ!」

 そう言って高原は煙草に手を伸ばす。彼女が近付いた瞬間、甘い香りが鼻をこそばす。

意識が逸れている間に、左手の人差し指と中指に軽く挟まれていただけのそれは、容易く奪われてしまった。

「ちょっと、お前っ……!」

 焦って声を上げる俺に構わず、彼女はそのフィルター部分に唇を付ける。

 ――――ドクン

 一際大きく、鼓動が聞こえたかのような錯覚に陥る。
 なんだ、今のは……?
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