恋愛流星群
「どうしたの?」
高原のそんな問い掛けに返す言葉は用意出来ていない。
何故引き止めたのか、自分でもわからなかった。
「香水……か何か、付けてる?」
適当な言葉を、口から捻り出す。どうでも良すぎて、違和感がありすぎるそんな質問に、彼女は丁寧に答えた。
「あぁ、うん! 臭かった?」
「いや……」
高原は笑顔に戻り、再び俺の隣にしゃがむと、制服の胸ポケットから小さな霧吹きのようなものを取り出した。