恋愛流星群
18歳という、大人と子どもの狭間の年齢。あどけなさの残る、そんな彼女に、俺は声を掛けた。
「もう6時半だぞ。早く帰りなさい」
俺の言葉に一瞬はっと目を開くが、時計を確認すると再び机に身体を預けた。
「今日は下履きが見付からないから、帰れない〜」
「え?」
「だから〜、下履きが見付からないの〜!」
間延びした声で話す内容は、声に伴わないくらい深刻な話なのに、高原は気にも止めないような顔で同じ言葉を繰り返した。