恋愛流星群
話を聞くと、毎日上履きや下履き、課題のプリントや授業のノートなど、何かしらを隠されているらしい。
これは完全にいじめだ。担任に報告しようと高原に言うと、彼女はそれを拒んだ。
「あの先生はもう知ってるから良いよ〜。それにしても、毎日よく飽きずにこんなイタズラ続けるよね〜」
「イタズラ」の部分を強調しながらそう言って笑う彼女の笑顔からは、不快感も諦めも伝わってこない。
むしろ、自分の置かれた状況を楽しんでいるかのようにすら感じられた。
それでも、その笑顔はどこか憂いを孕んでいて。
何とも例えがたいその表情は、俺を捕らえて離してくれなかった。