彼女のattitude ~学園・非公認的恋愛~
つうっと、背中にヤな汗が流れた。

穏やかとは真逆を行く感じ。
なんでこんな雰囲気になっちゃってるわけ――?
わたしが空気読めないヒト、みたいな。

「早坂さん、さっきから知らないふうに装っているけど――ほんとは、あなたも彼目当てで入学したんじゃないでしょうね」

2年生が表情を険しくして言う。

「だって、彼はお家も本人も有名だもの。知らないほうが、逆に怪しいんだけど」

ちょっと待ってよ、何その理不尽な因縁!
ムッときたけど、初対面かつ先輩だ。
できる限り気持ちを抑えて、否定しなきゃって思った。

「いいえ、わたし、本当に知らな――」

「そういうふうに抜駆けしようなんて、卑しいと思わないの?」

え。
……誰が、なんて?

これはさすがに限界だった。
あまりの意味不明さに混乱するばかりだったけど、そこまで言われる筋合いはない。
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