彼女のattitude ~学園・非公認的恋愛~
誰かに名前を呼ばれた。
何人か追いかけてくる気配があった。
もう、とにかくこの場に居たくないから走った。
廊下、階段、昇降口。
上履きのまま校舎の外へ。

いったい、なんなのあのヒトたち!
あの妙な教室の雰囲気もわけわかんない。
素直に言うこと聞いておけば良かったわけ?
そんなのってありえない!
納得できないことに、『はい』なんて言えるもんですか――!

そもそも、『結束書』にあった、男子高等部にいるっていう1年生って――。

思い出される、言葉の節々。
彼に対してモーションを起こさない。
手を出さない。
彼目当て。
有名人。
抜駆け。

「いったい何者よ!? ああ、もうっ」

走りながら呟く。
あの場を逃げ出すしかなかった自分も、なんか、なんか悔しくて!

有名人だとか言われても、知らないものは知らないっつうの!
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