彼女のattitude ~学園・非公認的恋愛~
木々の奥からは、春なのに、ひやりとした空気が感じられた。

静かで落ち着けるところかも……。

そう思って、中へ進んでみることにした。
数メートル踏み入っただけで、ここが学校内ってことを忘れそうだ。
振り返っても、木々に阻まれて校舎が見えない。
息を整えるため、ゆっくり歩く。
休憩時間はまだ終わらないと思うけど、ここってチャイム聞こえるのかな、ってちょっと心配になった。

「ああ~しまった、お弁当持ってくればよかったよ」

とっさに教室を飛び出したから、そんな余裕はなかったけど。

後悔しながら進んでいると、ドーム状にぽっかりと空いた場所に出て、その中心には大きめの石が鎮座している。


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