彼女のattitude ~学園・非公認的恋愛~
さわさわと、木の葉の揺れる音だけの中、わたしも男の子も黙っていた。

ほんの数秒のことだったような、もっと長い時間だったような――。
はっきりしているのは、その時間がわたしにとって、とても心地のいいものだったということ。

こっそり隣をうかがうと、男の子は俯きがちに、軽く目を閉じていた
なんか、変わった男の子だな。
いきなり現れたり、真顔で嘘ついたり、大声で笑ったり、優しさっぽいものを見せたり、めまぐるしい。
そして、今現在のとても無防備な姿に、つい、頬が緩んでしまう。

ぱちっ――って音がしたみたいに、突然男の子の目が開いた。
瞬間的にわたしの方を見たので、ばっちり視線がぶつかる。

やっば、顔覗き込んでたの、気づかれた!?

顔が熱くて、まばたきが増える。
何か、何か言い訳しなきゃって焦るわたしをよそに、男の子が発した言葉は予想外なもので。
< 31 / 110 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop