彼女のattitude ~学園・非公認的恋愛~
あたりに、ざあっ、と強い風が吹き抜けた。

固い表情のまま、じっと見つめられる。
相手を追い詰めるみたいな目。

だけど。
わたしは、ふうっと大きくため息をついた。

「……怖がってほしかった? おあいにくさま、そういうの、信じてないんだ」

わたしは、首をすくめて言った。

「んー、さっきはすごくびっくりしてたみたいだけど」

男の子は頬の筋肉を少し緩めた。
さっき、って言うのは、わたしが座っていた石がお墓だって聞いて、飛びのいた時のことだろう。

「ユーレイ信じてなくても、お墓に座っちゃいけないのは常識!それに、あれは嘘だったじゃない。2回も騙されるものですか」

「あははは。君、つまらないなあ」

つまらないって、ちょっと!

だけど、笑う姿は憎めない。
悔しいけれど、邪気がまったくない笑顔っていうか……。

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