彼女のattitude ~学園・非公認的恋愛~
――え。

目の前にあったのは、至近距離で構えられたカメラ。
シャッターは押されることなく、カメラはすぐに下げられた。

「……ちょっと、勝手に撮らないでよっ」

「うん、撮らない。カメラ越しに君を見てみたかったんだ」

「もう、意味わかんない!」

男の子はまったく悪びれることなく、笑っていた。
天然でつかめないヤツ――って感じ。
いちいち付き合っていたら、こっちの調子が狂ってしまう。

ふと、男の子が笑うのをやめて、何かに気をとられはじめた。

「どうかした?」

「……予鈴、鳴ってる」

「え、聞こえない……けど」

耳を澄ませても、周囲にあるのは葉っぱが揺れる音だけで、予鈴なんて聞こえてこない。
男の子は身体を預けていた木から離れ、言った。

「戻るなら急いだほうがいいよ。……君っておもしろいからさ、また、会えるといいな」

そして、じゃあ、と軽く手をあげた。

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