彼女のattitude ~学園・非公認的恋愛~
「って、まさか!まっっさか、ね!」

一瞬、ありえないものを信じそうになる。
あの男の子とはしっかり会話したし、ほら、足だってついてた、し……?
どことなく変な言動もあったけど、そんなこと現実に考えられない。

「……いけない、お昼休憩終わっちゃう!」

そう、現実の世界は忙しくて、甘くない。
とりあえず、今目の前にある、午後イチの授業に急がなきゃってこととか。
そんななのに、あるかどうかもわからない世界のことまで構ってられるもんか、っていうのがわたしの持論。

それに、なんかめんどくさいことが起こってたんだった。
教室に戻ったら、何事もなかったように、うまくおさまっていればいいのに、なんて。
そんなことあるわけないか。
状況はなにひとつ変わってないんだ。
本当に、登校初日からいったいなんなんだろう。

今の今まで、頭から抜けていた不思議。
油断してちゃだめだ、心に鞭をいれて、わたしは校舎脇を駆けていった。
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