彼女のattitude ~学園・非公認的恋愛~
高校生活に、すごく期待してたわけじゃない。
こっちへ来たのは周りの薦めで、自分で選んだ学校じゃないし。
それでも、普通に3年間を過ごせれば良かったのに。
でも、これってわたしが気が強いせいとかじゃないよね?
へこんだり、むかついたり、心が忙しい。

まだ帰宅する生徒もまばらな通学路で、赤い自転車がわたしを追い抜いていった。
自転車は急ブレーキで、私の行く手を遮るように止まった。

乗っていたのは、千年の制服がよく似合う、背の低い女の子。

「日野さん……」

日野さんは前髪を乱し、顔を赤くして、息を切らしている。

「はぁ、早坂さん、すぐいなくなっちゃうんだもん。全力で、漕いできたんだから」

額はうっすら汗ばんでいて、その台詞を証明している。


< 39 / 110 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop