彼女のattitude ~学園・非公認的恋愛~
「わたしってさ、こんなで。意固地なんだって、親とかには言われる」

『桐、社会では自分の理屈ばかりとおしてくわけにはいかないよ』って。
でも、心の根底にあるもの、自分の姿勢にだけは嘘をつきたくない。

「いいな、早坂さん」

日野さんがポツリと呟いた。

「ちょっとだけ、うらやましい。もしも私が早坂さんみたいに言えてたら……」

瞼を伏せた日野さんは、なんだか辛そうで。
そうするしかなかったとはいっても。
日野さんも今のあの状況を、いいものだと思ってないのかもしれない。

「ゴメン、なんでもない。ね、そろそろ帰ろっか。早坂さん、病み上がりだもんね」

日野さんは立ち上がって、自転車のかごに鞄を乗せた。

それからはお互い無言で、帰路の途中まで並んで歩き、軽く挨拶をして別れた。
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