彼女のattitude ~学園・非公認的恋愛~
そんな中でも、鳴子は自分なりの人間関係は保ちつつ、移動教室、休憩時間、放課後と、タイミングをはかって声をかけてくれた。
ムカついたり、落ち込んだりしても、すぐに気分を切り替えられたのは鳴子のおかげだ。

一週間をそんな感じで過ごして。
週の終わりにはすっかりこういう環境に慣れてしまったわたしは、少し図太く、調子に乗ってるように見えたかもしれない。

日曜日は引越し荷物と新しい部屋の整理に一日を費やして、月曜日――。

ここのところ、お昼休憩は鳴子とふたりでお弁当を食べていた。
今日もそのつもりで鳴子の席を振り返ると、なにやら3~4人のクラスメイトに取り囲まれている。

「き、桐ちゃ……」

姿は見えなかったど、か細い鳴子の声が聞こえた。
そして、鳴子は人垣に埋もれたまま、あれよあれよという間に教室から連れ出されて行った。
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