彼女のattitude ~学園・非公認的恋愛~

2・気障。

ひとりでも平気。
むしろそのほうが気が楽だと思ってた。
マイペースに、音楽を聴いたり、本を読んだり、物思いにふけったり――。

でもそれは、誰かとすごす時間があってこそなんだ。

今日も、ひとりのお昼。
ぼうっと考えごとをしながら、ふらふらと歩き、無意識にたどり着いた場所。

「ここ……」

土の、草の、木々の、濃すぎるほどの香り。
昼間なのに薄暗く、隔離された、誰も近寄りたがらない。
そう、あの場所。

わたしは何かを期待しながら、木々をくぐり抜ける。

ーーあ。

目当ての人物は、ちゃんとそこに居た。
期待を遂げられたこと、それとまた別の安心感で、ほうっと息をついた。

わたしにお墓だ嘘をついた、あの石の周りをゆっくり歩いている。
時々離れて、カメラを構えてみたり、また近づいたり。
なんだか心ここにあらずといった感じで、わたしの存在には気づいていないようだった。

< 61 / 110 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop