彼女のattitude ~学園・非公認的恋愛~
「……ねえ、君は、俺のこと覚えてる?」

「うん? 覚えてなかったらこんな会話、しないでしょ?」

この間もだったけど、なんだろう、時々かみ合わないことを言うのは。

男の子は、それもそうだったね、と笑った。

「……いつもカメラ持ってるのね」

古いことも価値のひとつなんだろうなって。
よくわからないけれど、直感で良さそうなものだってわかる。

「うん。身体の一部……って、なんか気障?」

多くを語らないのは、あまり触れて欲しくないのか、よほど思い入れが強いのかな。

「それより君、ヒトに声かけるときに『おい』って、アレはどうかと思うよ。つい固まったじゃん、俺」

「うっ……! スルーされてたと思ってたのに……!」

「あはははっ!」

爆笑する顔は、この間と何も変わらない。
そういうの、なんだか心地いい。

「シキ。今度からそう呼んで。ちなみに男子高等部、1年」
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