彼女のattitude ~学園・非公認的恋愛~
「いや、俺のクラスは自習だから」

「ひどい!もう、これ以上悪目立ちしたくないのに――」

授業がはじまってかれこれ20分は経ってしまっている。
これから急いだところでどうにもならないけど、一時間まるごとサボるワケにはいかない(しかも無断)。

「じゃあね!ばいばい!」

立ち上がって、身を翻したその時。

「桐、」

シキの呼びかけは、耳の真後ろってくらい、すごく近くで聞こえた。
頭に、ふわっと何かが触れたように思ったのは、気のせいだろうか。
振り返ると、意外にもシキはちゃんと元の場所に座っている。

「……何」

「ん、なんでもない。……ほら、走れっ!」

「……くっ!! シキのばーかっ!」

われながら小学生みたいな罵声を浴びせて。
背後からシキの大笑いが聞こえてくる。

もう!なんなのよアイツ!ヒトのこと、ぜったい小馬鹿にしてるんだわ!
< 68 / 110 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop