彼女のattitude ~学園・非公認的恋愛~
「……気安く彼の名前を口にしないで。それに、あなたは彼のことを知らないから」
わたしを睨みつけながら、言う。
だけど、その語尾は震えていた。
「だから、どうにもならないって言ってるんです。ありえないです。もう、わたしのこと放っておいてくれませんか」
「ありえないなんて、誰にもわからないじゃないっ!」
先輩はヒステリックに声を荒げた。
今までとは違うさまに、取り巻きも驚いているようだった。
このヒトの、ううん、『結束書』に名前を書いたみんなの心にひそむもの。
わからないことへの恐れ、恐れが呼ぶ不安定感。
それを軽くするために生まれた『結束書』。
だからって、真実の心の平穏がもたらされわけ?
ほんの小さなヒビで、こうもあやうくなるんだから。
こんなもの、一時しのぎにしかならないだろう。
わたしを睨みつけながら、言う。
だけど、その語尾は震えていた。
「だから、どうにもならないって言ってるんです。ありえないです。もう、わたしのこと放っておいてくれませんか」
「ありえないなんて、誰にもわからないじゃないっ!」
先輩はヒステリックに声を荒げた。
今までとは違うさまに、取り巻きも驚いているようだった。
このヒトの、ううん、『結束書』に名前を書いたみんなの心にひそむもの。
わからないことへの恐れ、恐れが呼ぶ不安定感。
それを軽くするために生まれた『結束書』。
だからって、真実の心の平穏がもたらされわけ?
ほんの小さなヒビで、こうもあやうくなるんだから。
こんなもの、一時しのぎにしかならないだろう。