彼女のattitude ~学園・非公認的恋愛~
まるで幼い子どもに言い聞かせてるみたいだ。
天真爛漫、人畜無害なカオして、なんてとんでもない!
けど、シキはまったく悪びれることなく笑っている。

「だって、キレイだからさ。欲しいと思ったんだ」

そう言うと、ひょいとわたしの手からバレッタを取り上げた。

は、早業!
一切、反応できなかった……。

「……さ、気になる……のものって、手に入れたくならない?」

「……ハッ。何?今、なんて言ったの?」

手品みたいなものを目の前で見せられ、ついぼうっとしていて、ところどころ聞き取れなかった。
シキは困ったように眉を下げて、いいや、と呟くと、さっきしてた風にバレッタをぱちんと留めた。

「じゃあ、しばらく貸して。だめ?」

両手を合わせてお願いされる。
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