彼女のattitude ~学園・非公認的恋愛~
男の子が、どうして髪留めに固執するのか理解できないけど……。

「もう、お手上げだわ。大事に扱ってよね」

「はは、やった!」

お気に入りのバレッタだったけど、所在がはっきりしていればいっか。
そう思って承諾した。

「桐は、俺ので欲しいものある? んー、今すぐあげられるのは、ネクタイかー、靴下か……」

「い、り、ま、せ、ん!」

シキと話してると調子が狂う。
今のわたし、教室でのわたし(鳴子と話している時以外の)とは、まるで別人なんだろうな。
でも、どっちかと言えばこっちが素なのかも。
なら、シキは調子を戻してくれる、お薬みたいなヤツだ。
たまにムカつくのは、シキが持ってる副作用だったりして……。

「あ、でもね、シキ。男の子がソレ頭につけてるのはおかしいから、やめたほうがいいよ」

そう言うと、シキは憎たらしいほどキレイなカオで、ニヤリと笑った。
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