天を衝く槍
「へぇ?」
ジルはそれだけ言い、腕を組んで余裕そうに笑った。
まるで彼女がそう言うのが分かってたように。
「………………」
ジルのその行動を見たアルは何かを察したのか、半目になり青筋をピキピキ立て始めた。
「てンめェエ!!!騙したなこの野郎!!!」
本当に建物が壊れてしまいそうなほどの声量だ。
余程悔しかったのか、アルはジルに座るよう促してササッと掌底(しゅてい)を決め込んだ。
しかし、彼女の手はパシッっという音と共にジルの手の中に吸い込まれていった。
「さて。名前、考えようか」
彼が掴んだ彼女の手を引き抱き着くような形になる。
そして片方の手でアルの顎を上げた。
「……だから妊娠してねえって言ってんだろ、馬鹿」