天を衝く槍


そして二人の影が重なって―—


「ストップstopストォォオーップ!!!ちょ、何でなんで!!?なんでそういう方向に進むわけ!!?しかも見せつけんなよっ」


目の前で突然キスしようとするのが耐えられなくなったのか、ギルが隠れてた場所から出てきて、二人の行動を阻止する。


そんなことをするギルの顔はほんのり赤い。


「おまっ、え!!?どっから出てきた!!?」


アルがさっきのことを見られたのかと思ったらしく、アタフタしだす。


「相変わらず大胆だね」


アルを見ていたら、いつの間にかフィーネさんがギルの隣に立っていた。


「げ。フィーもいたのかよ……恥ずかしいな…」


「なんでフィーネさんが見てたら恥ずかしがるんですか」


私もギルの隣に行って、片手で顔を隠しているジルに言う。


「いや、兄貴分に見られてたなんて…」


ジルはまるで女のように顔を隠していた手を口元に持っていき、口を覆う。


「…うわ……」


そして、それにアルがドン引きしたのは言うまでもない。


「それより、もうやらないの?さっきの。面白かったけど」


いつの間にか、私の近くに腕を組んだシロさんがいた。


「ふざけんな、ハゲ!」


シロさんの言葉にアルが牙をむく。


それを見たアル以外がクスリと笑った。


「はいはい、言葉遣いが悪いですよー。つかお前ら、いつからいたんだよ」


ジルはむくれたアルを注意して、キョトンとした表情をして聞いた。


「え、いつって…さっきから」


ギルが答えた。


「え」


アルがあんぐりと口を開けた。
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