天を衝く槍


暫くして、ダラナはそのウサギに止めを刺すことが出来た。


目いっぱい開いてカタカタ震える彼女を、私は安心させようと抱き締めたけれどあまり意味をなさなかった。


その後、運よくアル達が近くで私たちと同じようなことをしているという情報を手にしたので、私はカチコチに固まっている彼女を抱きかかえてアル達がいる場所へと奔った。


そしてシロさんからその情報を聞いた私が、その場所に行こうと軽々とダラナを抱きかかえるのを見た時の彼の顔は、そう見られるものではなかったと信じたい。


かなり驚いていて、瞬きを何度もして、私とダラナを交互に見ていたのだから。


……まぁ、その後はもうお約束事のように、やっぱ男だったんだ?という質問を受け付けた。


男じゃない。


断じて私は男じゃない。


まぁ、そんなことはいいとして。


アルたちと合流すると、ヨースケと死んだ魚のような目をした新人が二人がいた。


……私が新人の時、こんな感じになった覚えないんだけどなぁ…。


そしてシロさんは新人三人を連れて本部へ戻り、私とアルとヨースケはそのまま西の臨海に行くことにした。


各々の端末からソンジュさんが映し出され、彼がそう指示したのだ。


『ジューシローと新人は戻って、ヨースケ達はこのまま任務に行って』と。

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