天を衝く槍


あれから私は着替えて食堂へ向かい、ご飯を食べている。


「2週間ぶりだね、コウガ」


「うん」


どことなく、悲しそうなアルが言う。


因みに今日もジル達は食堂のいつもの席にいない。


「……私がいない間、何かあったでしょう」


私は思い切って聞いてみた。


だって、アルの食べる量が極端に少ないから。


「…………………」


アルはそれに驚くこともせず、まるで肯定するように微笑む。


「ジルがね……その、」


珍しく彼女がしおらしい。


アルこんな顔するのだと、少し新しい発見をした。


「か、構ってくれない…」


「……………………」


彼女はそう言って、顔を赤らめた。


「……………………」


所謂ノロケというやつか。


そんなことを一瞬思った私はものすごくバカだと思う。


彼女はそんなことでへこたれるような人じゃないから。


「それに、変」


アルが赤い顔のまま、真剣な顔をして私を見る。


「変?」


「ジルが真面目なんだよ。ここ最近、ずっとトレーニングルームに籠ってるし」


「…………………」


果たしてそれは変というのだろうか。
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