天を衝く槍
「殺すッ」
「え!!?」
突然、ウルノが地面を蹴ってジェゾの元へ飛ぶ。
まるで誰かのカタキでもとるように。
「ウルノ!!!」
空であの時のように白と黒が舞う。
「ぐっ」
彼の苦しそうな声が聞こえた。
「っ」
黒が、まるで白に遊ばれているかのように舞う。
-----ドォンッ
視界から黒が消え、そこから茶色の煙が沸き立つ。
そこからすぐさま黒が現れても、白に遊ばれるだけ。
―—ダメだ、完全に圧されてる
私は眉を顰めた。
-----ドサッ
「!」
急に私の目の前に、黒が降ってきた。
「ぐ…ぅ……」
それからザッザッと誰かが此方にくる足音がする。
「つまらんな」
私は倒れてボロボロになっているウルノを守るように彼の前に立つ。
「話にならん」
私はどうすればいいのか分からず、ジェゾを見ながら剣を抜いた。
「……………………」
それを見た彼が眉を顰める。
まるで、あんた何やってんだとでも言うように。
「……………………」
それくらい、分かってる。
ゴクリと、生唾を飲み込む。
「止めておけ。お前では―—」
「じゃぁ、俺は?」
不意にジェゾの後ろで声がした。
「……ジル…」