天を衝く槍


それから荷物を片づけて、食堂に行く。


「何にしようかなぁーっ」


そう言いながら、目をキラキラさせるアルはまるで子供みたいだ。


「あ、オバちゃん!アタシいつものやつ!」


アルが食堂にいるおばちゃんに言う。


「相変わらずよく食べるわねー」


おばちゃんはケラケラ笑い、私に目を移す。


「あ、この子ね、今日来た新人さん」


アルが嬉しそうに言った。


「あら、よかったじゃない」


おばちゃんは綺麗に微笑む。


「あの子ね、今まで紅一点だったから」


どうやらおばちゃんは、私がここに入団したことが嬉しいらしい。


「で、あなたは?」


「あ、コウガです」


おばちゃんの問いに答えると、彼女たちは目を点にした。


「コウガちっがーう」


アルがぶっと吹きだして、私の背中をバシバシ叩く。


「注文よ、何食べる?」


「……………」


私は穴があったら入りたくなった。



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