天を衝く槍
「コウガって面白いね」
「ちょ、やめてください。本当に顔から火が出るかと思ったんだから」
おばちゃんに頼んで、イスに座って待っている時に言った。
…あれは恥ずかしかった。
マジであれは恥ずかしかった。
「ヨースケと引けを取らないかもよ?」
アルはニヤニヤしながら言い、食堂に入ってきたヨースケさん達を見る。
彼らは5人のグループだ。
……グループというか、その面子というか、いつめん…のような。
ヨースケとジルと、ジューシローと……ギル…?と。
……あと一人誰だろう……?
銀色の髪で赤と黄緑のオッドアイだった。
黄緑の瞳がある左側に、縦一直線に引っ掻かれたような傷痕がある。
「…………………」
私は彼らを見ていてふと私は思った。
類は友を呼ぶんだなぁ…と。
ヨースケやジルがいるグループは、容姿が整っていた。
ついでにいうと、アルも可愛い。
小さくて小動物のようだ。
ヨースケがジルとアルを紹介した時に言っていた「Aliceの名物」というのは、夫婦漫才の方じゃなくて、美男美女のカップルっていう意味だったんだろうな。
私はそう思った。
「コウガ?」
ボーっとしていたのだろうか。
アルが心配そうに覗き込んでいる。
「ごはんできたって!取りにいこ」
我に返った私に笑顔でそう言った。