天を衝く槍
「実際、プロヴァーレって何だよ?」
それから少しして、シロさんとリャノが障子を直し終わり、頃を見計らったようにラガーが言った。
アルが起きて、心配そうにジルを見た。
「………………………」
…なんでラガーはこんなこと聞くんだろう。
ふと、気になった。
「俺の地元、たまに西暦で使われてた言葉を使うんだよ」
目が合ったラガーが私に言う。
「で、そこでの意味が〝試す〟」
フィーネさんは表情を変えずに、ラガーを見ていた。
「………………………」
嫌な気がしてたまらない。
「この単語の意味、関係あんの。お前ら」
ラガーが複雑な表情を浮かべ、ギルやシロさんを見る。
「………………………」
シロさんが腕を組んで息を吐いた。
「…あぁ……君の地元、世界的に有名な大きな闘技場があるところだっけ」
「逸らすなよ」
物知りたげに懇願するようなラガーの表情に、察しの通りだよと、フィーネさんはまるでそう言うように肩をすくめた。
「その単語の通り、僕らは7年前に行われた人体実験の被検体」